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Ah, but I was so much older then, I'm younger than that now.
オレってイケてる?
ある大切な取材の朝、粗相のないようにと念入りに身支度をし過ぎたのか、時間が足りなくなってきた。急ぎ足で市ヶ谷への急な坂を駆け降り、朝のラッシュの有楽町線に飛び乗った。
ふぅ、なんとか間に合いそうだ、と足下の鞄から新聞を取り出そうとした瞬間、座席で居眠りをしていた女性が目覚め、ハッという表情で目の前のボクを見た。そう言えば、さっきからドア付近のお嬢さんともしきりに目が合う。若い頃ならともかく、50前のオッサンにねぇ、と思いながらも悪い気はしない。どころか、今日はちゃんとした格好をしてきたし、だんだん気持ちに余裕が出てきて、「オレって今日、けっこうイケてるのか?」なんて不遜なことまで考え始めた。そういえばさっき鏡を見た時、額があんまり目立たなかったよなぁ、なんてバカですなぁ。でも、いつになく若返った気分でルンルン(言わないわなコレ...)していたところ、地下鉄は四谷駅に近づいた。
と、さっきのドア付近のお嬢さんが、すごく思い詰めた風情でこちらに近づいてくるではないか、えぇ〜、どうしよう、何だろう、大胆やなぁ、「好きです」なんてまさかないわなぁ、なんて妄想ににやけた顔のボクに、彼女は言った。
「あのぉ、女性専用車なんですけど...」
ガ〜ン、そうだったのか、すべてが一瞬で腑に落ちた。あぁ〜、情けない〜
「ごめんなさい〜」と言いながら、急いで降りて、別の車輌に走った。
女性専用車の存在は知っていたが、朝夕のラッシュ時限定なので、自分の中で実感が全くなかったのだ。
それにしても、ちゃんと知らせてくれた彼女にはお礼を言いたい。それも、乗ってすぐではなくて、次の駅に着く寸前というタイミングでそっと教えてくれた優しさには感謝するばかりだ。
これ以来、電車に乗る時は、必要以上にキョロキョロと挙動不審になってしまうワタシである。
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